請求書を最短2日で資金化 

令和時代の資金調達。

Interview 2019.10.04
今回の鼎談に参加した3名。左から税理士の市川琢也氏、株式会社インフォートの中島健、GMOペイメントゲートウェイ株式会社の小川康秀氏。
今回の鼎談に参加した3名。左から税理士の市川琢也氏、株式会社インフォマートの中島健、GMOペイメントゲートウェイ株式会社の小川康秀氏。
多くの中小企業にとって、安定した資金の調達は事業を成長させる上で重要な課題です。とはいえ、売掛金の請求から入金までのタイムラグにより、キャッシュフローが悪化することがあります。そんな資金繰りの悩みと解消法について、その道のプロである3名がお答えします。

中小企業の資金調達。
日本と欧米での大きな違い。

まず初めに法人の資金調達にはどのような形態があるか、といった基本的なことから確認したいと思います。

中島  法人の資金調達には、大きく3つの選択肢があります。①新株発行による資金調達(エクイティ・ファイナンス)、②社債や金融機関からの借入などによる資金調達(デット・ファイナンス)、そして③ファクタリングなど資産売却による資金調達(アセット・ファイナンス)です。

市川  中小企業における資金調達について考えると、①の新株発行と②社債は、ちょっと考えづらいですね。そもそも上場していないなど、比較的信用力が低いケースだと、株主資本を増やすための第三者割当増資や社債発行は出来ませんからね。

中島  となると中小企業における資金調達の主な選択肢は②金融機関からの借入と③ファクタリングの2つになりますが、それぞれ国内での利用割合はどれほどでしょうか。

小川  あくまで肌感覚ですが、金融機関からの借入が9割、ファクタリングは1割といった割合ではないかと思います。

中島  ところが、文化の違う欧米ではこの割合が大きく変わります。アメリカでは、ファクタリング6割、金融機関からの借入が4割といった構成比だと思います。

小川  そうですね、欧米では資金調達の方法としてファクタリングはかなり一般的です。一方、日本ではファクタリングはあまり知られていません。知っていたとしても、あまりいいイメージを持たれていないかもしれません。

GMOペイメントゲートウェイ株式会社

小川 康秀 氏

売掛金を早期に現金化する、
ファクタリングとは?

ここで改めて、ファクタリングについて詳しく教えていただけますか?

中島  ファクタリングを説明するには、一般的な企業間取引の流れを考えるとわかりやすいです。企業が物を売って、その代金を回収する際、そのほとんどは掛売りです。その売掛債権は、買い手に対して請求書を発行して請求しますが、実際に支払われるのは翌月、翌々月、さらに先のことも。すると、場合によっては運転資金を資金調達する必要が出てきます。ファクタリングは、例えば100万円の売掛債権があったとして、その債権を金融機関やファクタリング提供会社に債権譲渡することで、支払い期日前に売掛金(手数料を差し引いた額)を受け取ることができる金融サービスです。つまり、売掛債権を早期に、現金化できる仕組みということになります。

市川  資金調達では、金融機関からの借入が一般的ですが、どうしても時間がかかります。今日、金融機関に行って来週には現金が入るというわけにはいきません。というのも、金融機関が企業に融資する際には、代表者の保証人をとったり、不動産を担保に取るなど、審査に時間がかかります。その点、ファクタリングの方が、スピード感がありますね。

小川  何より、企業の人手不足は深刻です。そんな時に、何度も金融機関に足を運び、必要な書類を複数揃えて、審査を待つといった人的、時間的な余裕はありませんからね。それにファクタリングの場合、仮に買い手側(債務者)が倒産しても、そのリスクは債権を買い取ったファクタリング提供会社の負担のため、担保を取られないというメリットもあります。

Hongo Connect & Consulting株式会社

市川 琢也 氏

「買い手に知られる」リスクは、
解消することができるのか?

メリットの多いファクタリングが、日本で浸透しないのはなぜですか?

小川  ファクタリングのデメリットであり、資金調達の方法として浸透していない最大の要因は、買い手に知られてしまうことです。

市川  つまり、買い手に資金繰りが厳しいという印象を与えてしまうと。それは中小企業にとって致命的ですね。

小川  買い手が大手になる程、購買部門がしっかりしていて、売り手サイドを審査します。その際、ファクタリングで資金調達したいとなれば、購買部門とすれば、「この取引先は資金繰りが厳しそう。安定供給に不安がある」と取引を停止され兼ねませんよね。

中島  もはや文化の違いですが、欧米では社債も金融機関からの借入もファクタリングも、資金調達に違いないという考えで、買い手も気にしません。ところが、日本の場合は金融機関からの借入が普通という常識があります。設備投資など、長期で金額も大きな借入は金融機関の助けが必要です。ファクタリングは、そういう長期資金には向きませんが、中小企業にとっては日々の資金繰りこそが課題なのです。

市川  極端な話ですが、月末に給料や支払いなどで大きな支出があるけれども、買い手からの入金日が月初だと、ほんの数日の差ですが、50万円、100万円といった額の資金が足りなくなります。実は、こうした入出金の期日の差による資金ギャップで資金繰りが赤字になるケースがあります。

中島  業種による、資金繰りの大変さもありますよね。

市川  製造業や建設業、ソフトウェア開発なども、入金までの期間が長いですね。建設業もソフトウェア開発も、成果物の完成まで入金がありません。人件費や、建設業であれば資材も買わなければいけません。こうした資金ギャップをファクタリングで埋められれば、中小企業の資金繰りは楽になります。

中島  資金繰りの難しさが、せっかくの業容拡大の足かせになることがあるわけですね。手形割引が減ったことも企業の資金調達を難しくしていますよね。約束手形を金融機関に持って行けば、満期日までの利息や手数料を割り引いた額で買い取ってもらえました。しかし発行には事務手続きや手形交換所などのコストがかかるため、2000年頃から手形は徐々に減り、売掛金へと変わってきました。

小川  ファクタリングが浸透していないもう1つの理由が、煩雑な手続きですよね。売掛債権を金融機関に譲渡するには、金融機関としてはリスク回避のために会社の実在、取引の存在を証明する会社の登記簿謄本や通帳、取引先との契約書や請求書など様々な書類が必要です。その上で、債権を登記するなど本当に煩雑です。

株式会社インフォマート

中島 健 氏

新時代のファクタリングで、
企業活動が変わる!

中島  ITを活用することでファクタリングのデメリットだった、①相手に知られる、②煩雑な手続き、この2つを解消できますよね。

小川  そうなんです。売掛債権の譲渡には面倒な手続きが必要ですが、実は必要な書類の多くはデータ化できます。そもそも、インフォマートさんのサービス『BtoBプラットフォーム 請求書』であれば、プラットフォーム上に登録されている企業は多くの企業との取引実績がありますし、請求書はプラットフォーム上でなければやり取りできません。つまり、会社の実在も、取引の存在も、『BtoBプラットフォーム 請求書』上で容易に確認できるわけです。

中島  新たにリリースする「電子請求書早払い」サービスでは、請求書を選択して「実行ボタン」をクリックするだけで、売掛金を早期に資金化することができます。また買い手には自社の会社名で請求書が届くので、これまでの課題だった買い手に知られるリスクがありません。売掛金の支払いは債権を買い取ったGMOペイメントゲートウェイさんが行い、数日で入金されます。

市川  企業活動にとって、資金は血流です。新時代のファクタリングで、その流れが活発になれば、事業拡大のスピードは早まり、日本経済も拡大します。

小川  サービス開始後には、さらに驚くべき付加機能を予定していますよ。

中島  令和時代の資金調達として、大いに期待して欲しいですね。

小川康秀
GMOペイメントゲートウェイ株式会社
イノベーション・パートナーズ本部
略事業統括部
企業間決済事業部 部長
小川 康秀 氏
中小企業診断士としての知見を活かし、中小企業における資金調達を活性化させ、企業にイノベーションを起こさせる後押しをする。
市川琢也
辻・本郷 税理士法人グループ
Hongo Connect & Consulting 株式会社
代表取締役社長・税理士
市川 琢也 氏
業界大手の辻・本郷税理士法人グループのグループ会社・社長として、経理のコンサルティングやビジネスマッチング事業を展開する。
中島健
株式会社インフォマート
常務取締役
中島 健 氏
三和銀行出身という金融業界で培った豊富な経験を活かし、企業間取引を活性化する『BtoBプラットフォーム 請求書』の立ち上げに尽力。
取材日:2019年5月